看護師には、自己管理能力が求められる。自己管理能力とは読んで字のごとく自分を管理する能力のことで、セルフマネジメントスキルと言い換えることもできるだろう。看護師にとっての自己管理能力は、モチベーションの維持や時間管理、感情のコントロール、健康管理などさまざまな分野に及ぶ。自己管理能力が欠けていると、業務パフォーマンスの質も低下してしまうだろう。看護師は人の命や健康にかかわる職業なので、パフォーマンスの低下は重大な問題だ。医療ミスにも繋がりかねず、自己管理は看護師にとって大きな課題と言っても過言ではない。自己管理のポイントは、優先順位を正しく見極めることだ。優先順位がつけられないと業務効率が下がり、時間管理が困難になる。業務の量と内容を把握し、優先すべきものを判断して時間配分を行う。

また、感情のコントロールは人によっては最も難しい分野かもしれない。患者や患者の家族、医師などさまざまな人たちと連携する看護師にとって、感情のコントロールは重要だ。特にアンガーマネジメントができるよう、自分がどんな場面で怒りやすいか、イライラするのか、気落ちするのかを考えてみよう。そして、急な予定変更、患者の急変など予期せぬ事態に直面したとき、どう判断するかノートに書き出して対処法を考えておくと良い。激務の看護師にとって健康管理は難しいものだが、夜勤や残業で健康を崩さないように食事バランスや睡眠の質を見直そう。あれもこれもと一気に始める必要はなく、できることから自己管理を始めることが大切だ。